ノースサンドで働く社員はTo Joby (Job+Joy)というコアバリューを掲げ、仕事を心底楽しみ、仕事を通じて社会を明るくすることを目指している。ノースサンドのオウンドメディアである「ノース参道」では、現場でJobyに働き続けるメンバーにフォーカス。彼らの想いからノースサンドの情熱を紐解きます。
第12回に登場するのは、代表取締役としてノースサンドを率いる前田知紘。成長を続ける会社のトップが思い描く自身の夢や、新卒採用に対する想いを探っていきます。 聞き手は、2020年新卒入社の現場コンサルタント兼ノース参道ライター、稲村周平です。
稲村:本日はノースサンド代表取締役の前田さんにお話を伺いたいと思います。 ノース参道初登場ということで楽しみです!本日はよろしくお願いいたします!
前田:よろしくお願いいたします。
稲村:前田さんは、これまで多くのインタビューでキャリアやノースサンド立ち上げの経緯について話されているので、今回は別のことを聞こうと思います!
※キャリアやノースサンド立ち上げの経緯が気になる方は以下の記事をご覧ください!
tobeマガジン様
miraerror様
稲村:今回は①前田さんは普段、どのようなことを考えているのか、②採用側から見た新卒採用、という二つのトピックを中心に質問していきたいと思います。
前田:わかりました。硬くなりすぎず、なんでも聞いてくださいね。
稲村:ありがとうございます!
創業から5年、今の社長の心境
稲村:それでは、早速質問に移りたいと思います。今年ノースサンドは5周年を迎えました、社長としてこの5年を振り返るとどんなことが思い返されますか?
前田:本当にさまざまなことがあったと思います。メンバーが増えたり、創業時から一緒だったメンバーが退職してしまったり。社長になる前では経験したことがないことがたくさんありましたね。
稲村:やはり社長になると物事の感じ方が全く異なるのでしょうか?
前田:そうですね。180度変わったという印象です。何よりも責任の重さが違いますね。
例えば前職のコンサルタント時代は、現場のリーダーとして働いていましたが、もしそこで失敗したとしても、急に一文無しになることはないんですよね。
会社に守られていたので、リスクはないといっても過言ではありませんでした。
でも、自分が経営する会社となると同じようにはいきません。
決断のひとつひとつが、会社の財務状況や存続に直結します。ノースサンドを起業したばかりのときは、一度決断を間違えるだけで立ち上げメンバー全員が路頭に迷う可能性もあるということを常に意識していました。
すごく慎重に考えるようになって、周りの人にいろいろ相談して、悩みに悩んで決断することを繰り返してきました。それは経験したことのない重圧でしたね。
稲村:聞くだけでも相当な怖さがありますね。そんなプレッシャーを乗りこえるために日々、取り組んでいることはありますか?
前田:日々「行動する」ことですね。社内へもよく発信しているのですが、悩んでいるだけでは何も解決しないんです。常に自分で決めたことをすぐ行動に移す。それを躊躇すると物事がうまくいかないと思います。とにかく行動し続けることですね。
稲村:とりあえず行動しなければ、その結果何が起こるかわからないということですね。さきほど社内への発信というワードが出ましたが、前田さんは今年(2020年)の5月から毎朝、Slackで全社員に向けメッセージを発信しています。この取り組みを始めるようになった理由は何ですか?
毎朝行われているSlackへの投稿
前田:社員に向けて自分の思いを発信したいという気持ちは前々からあったんです。
会社が大きくなるにつれて、自分と全くコミュニケーションを取れない社員も出てくるようになってきました。そういう人たちに、自分の考えていることを伝えたいとずっと思っていたんですよね。しかし、忙しいことを言い訳にしてなかなか実行に移せませんでした。
そんな状況でしたが、今回のコロナ禍が転機になりました。 自分の中で「今が発信を始めるタイミングだ」と思い決心しました。
発信を続けるようになると、今度は三日坊主だなと思われたくない気持ちがでてきました。結局社員への発信は今も毎日続けています。
稲村:そういった経緯だったんですね。投稿はいつまで続けようと考えているのですか?
前田:ずっと続けようと思っています。100日でやめる!とかは考えていません。僕のしつこさはこんなものではない。ひたすら続けることにしました(笑)
稲村:これからも毎日楽しみです!投稿の内容には本からの引用もありますが、忙しくても読書はしているんですか?
前田:読み続けています。先週も4冊くらい買いましたね。
稲村:…….見習います。読書する理由は、成長のためでしょうか?
前田:好奇心ですね。好奇心から読みたいなと思う本を読むことによって、自分の知識が深まっています。Slackでの全社員向け投稿で、その内容をアウトプットすることによって、さらに知識を深めているといった側面もあります。
稲村:毎日の投稿はアウトプットの意味でも役に立っているのですね。まさに良いことづくめですね。
前田:刺さった?
稲村:グサッと刺さりました。
今後の展望
稲村:それでは、前田さんの今後の夢を聞かせてもらえますか。
前田:ノースサンドをもっと大きくしていきたいですね。1,000人、2,000人規模の会社を目指しています。
稲村:まだまだ上を見ていくということですね。
前田:そうです。1,000人~2,000人の規模になるころには、私の後継者となるだれかが会社を見ているような状態にしていきたいですね。
後継者に譲ったら資産を作って投資だけで生きていくことが夢ですね(笑)
稲村:代表の座を狙うチャンスがありそうですね!
前田:そうかもしれません(笑)
稲村:話は変わりますが、最近前田さんは「動画」というジャンルに熱心な印象があります。なにか狙いはあるのでしょうか?
前田:狙いは二つあります。
一つ目の狙いは動画作成スキルを身に付けて自分自身の希少価値を上げることです。
私のキャリアは学生インターン時代のウェブデザイナーから始まり、データベースエンジニア、ITコンサル、会社経営と変化していきました。ここに動画という武器を加えたいという狙いですね。
ひとつひとつのスキルの希少価値はそこまで高くはありませんが、それら全てをできる人はなかなかいません。全てのスキルを組み合わせるとなかなか希少価値が高い人材になると思います。
エンジニアもコンサルも経営も動画作成もできる人っていませんよね。
二つ目の狙いは自分の得たノウハウを基に動画作りを仕組み化することです。もともと仕組み化は自分が得意とすることなんです。
稲村:誰でも高品質な動画が作れるような状態にするのですね。それをビジネスにつなげたいという想いもあるのですか?
前田:あります。世間では、今から動画に取り組むのは遅いという声もありますが、現実に市場は拡大しつづけています。その市場への挑戦を自分一人でやるか、皆ができるような仕組みを構築してチームで挑むかでは、スピード感が全く違いますよね。
動画の話とはすこしズレるのですが、一般的なコンサルタントのなかにはスキルを自分だけのものにしようと考える人がいます。
しかし、そのスキルはいつ陳腐化するかわかりません。そうなったとき、そのスキルだけに依存していた人の価値はなくなってしまいます。
一方、ノースサンドでは経験や知識を皆で共有しようという文化があります。
この文化は必ず組織を強くします。
汎用化されやすいスキルだからこそ、それが少しでも役に立つことなら周りに広める。
そういうことをさまざまな活動で繰り返すことによって、社員全員が希少価値の高い人材になれると思います。
稲村:よく考えてみると、ノースサンドのミッションである、世界をデザインするに通じる考え方なのですね。改めて凄みを感じます。
前田:刺さった?
稲村:刺さりました(笑)
前田:今日これやり続けるから(笑)
会社をさらに成長させるための新卒採用
稲村:さて、続いてはノースサンドの新卒採用について聞いていきたいと思います。
ノースサンドはまだまだ規模が大きいとはいえない会社ですが、採用、育成とコストがかかる新卒採用に力を入れる理由は何ですか?
前田:当たり前のレベルを高くもったコンサルタントを育てたいという想いが強いです。
社会人は最初にどういう企業で働くかがとても重要です。ひな鳥が初めて見た鳥を自分の親と思うのと同じように、企業に属したことのない人にとっては初めて入った会社の文化こそが全てです。 その企業のレベルが低いと、周りの環境に流されて目指すところも低くなります。結果、個人としての成長も鈍化していく。
もちろん、そのような組織の中にいても、個人の意識を変えれば成長できるのですが、大半の人はそこまで頑張れません。
そんな中、ノースサンドには優秀でやる気のある人材が多くいます。
いわば自分が成長していくのに適した環境ですね。
そこに属している新卒は、それを当たり前だと思って社会人を始められます。
そして、その中で自然に成長していき、優秀なコンサルタントになっていく。そんな人を増やしていきたいという想いで、新卒採用に力を入れています。
稲村:なるほど、たしかに今のノースサンドは活気にあふれていますし、新卒へのフォローも手厚いと感じます。この環境でキャリアを始められることは新卒として幸せなことだと思います。
若手を育成する側の負担についてはどう感じていますか?
前田:事実として負担はあります。経験のない新卒を現場に参画させることは非常に難しいです。
しかし、このようなチャレンジをしない、いわゆる「前進しない企業」はつぶれてしまうものなんです。
企業運営というのは、下りエスカレーターを逆走するようなものです。
歩みを止めればどんどんと下がっていく。
しかし前に進もうともがけば、次のステージに行くことができます。
稲村:負担ではあるものの、会社としては「乗りこえて成長しよう!」というように、前向きにとらえているのですね。現状維持ではいけない、今の自分にも当てはまるところがあるのではと思いました…
前田:刺さった?
稲村:刺さりました(笑)
大切なことは素直であること
稲村:よい機会なので、新卒採用の面接についても聞かせてください。
前田:学生さんが一番気になるやつね。
稲村:そうです(笑)
前田さんは面接する中で、志望者のどこを一番注目して見ていますか。
前田:「愛嬌があるか」、「素直さがあるか」というところを気にしています。
面接ではそういった点を探るようなコミュニケーションをとっていますね。
ふとした瞬間に素直さを出せるかどうか。そこしか見てないといっても過言ではありません。
素直な考えを持っていないと人間は成長しないと思っているので。
稲村:素直でないと、人のアドバイスなどをしっかり聞かないということもありますよね。
前田:そうです。誰しもある程度大人になってくると、プライドが出てくる。
自分がしたことに対して周りからツッコまれるとムキになって反論する。少なからず人間はそういう生き物だと思います。
だけどそういうときこそ、素直になれるか、良い意味でバカになれるかどうかが重要です。
真に素直な気持ちを持った人はそれができる。そして周りから好かれるんだと思います。
究極的には、素直でなければ人の上に立つことが難しいとさえ思います。
稲村:社会で生き抜くためにも、素直なことはとても大事だと身にしみます。
一番注目して見るのは素直さ、愛嬌とおっしゃっていましたが、実際は学生ごとに学歴やインターンの経験など、さまざまなバックグラウンドがあると思います。こうした情報は学生を見る目に影響しますか?
前田:学歴に関しては、今は気にしていません。以前の中途採用では、高学歴大学出身者のほうが優秀である確率が高いだろうという思いから、学歴を参考にすることもありました。
しかし、採用活動を続けていく中で、活躍するコンサルタントになれるかどうかという点において学歴は全く関係ないということが分かりましたね。それ以降は参考値にすらしていません。ノースサンドの新卒採用は書類選考しませんからね。
稲村:紙の上の情報は一応のインプットとしてあるものの、実際に目の前で話す姿が一番の判断材料になるんですね。素直であるかを見極めるためによく使う質問はありますか?
前田:一番聞くのは挫折経験ですね。それも最近は、人生のピークとどん底を教えてくださいと聞いていますね。
自己分析している人はどこかでこれまでの人生を振り返っているはずなので。そのときに出てくるエピソードとして、浅いものは求めていなくて、あまり人に言いたくないだろうなというような赤裸々なものを語れるかというのは、注目して見ているところです。
稲村:プライドがあると、思い出したくもないようなエピソードはまず話しませんよね。嫌な部分で自分をさらけ出せるかという意味でも挫折経験を聞いているんですね。
前田:そうです。また、あまり自分のことを分析していない人や素直に自分のどん底を語れない人は、こういった質問でわかる傾向にありますね。
稲村:なるほど(笑)
ちなみに、気になったのですが、前田さんは「ご自身の挫折経験は?」言われたらどんなことを話しますか?
前田:たくさん経験してきましたが、この場で話すとすれば、中学一年生のときに幼なじみと喧嘩して、そこから中学の間ずっと口を利かなかったという経験ですかね。
幼稚園から仲良しだったのに、急に仲たがいしてグループでも無視されました。今は仲直りしていますが、その当時はどん底でしたね。
稲村:前田さんにもそんな時代があったんですね。意外でした。
前田:そうなんです。けれども、こうやってつらい過去を持っていても、今は頑張っているということが語れる人がいると、周りは手を差し伸べようかなという気になるんですね。
稲村:仕事のコミュニケーションにもつながってくるということですね。新卒採用は、ここまで3年間経験してきて、どのような感想をお持ちですか?
前田:すごく良かったと思っています。若い人ならではの情熱や勢いを感じて、自分も刺激を受け、テンションが上がります。これからは若い世代がノースサンドをつくっていくことが重要になってくると思っています。
稲村:若くても「自分たちが会社をつくっていくんだ」という気持ちを持っていてほしいし、その志を持った人にきてほしいと思っているんですね。
前田:そうです。「自分たちが会社をつくるんだ」という気持ちがないと、会社は成長しない。
それに、新卒時代から、「10年後は絶対に社長になる」、「5年後に絶対ベンチャーを立ち上げる」といった高い志を持っていてほしい。
この志がないと、どこかで忙しくなったときに疲弊する、パフォーマンスが落ちる、評価が落ちる、上司と合わなくなる…と負の連鎖に陥ります。
その結果、会社を辞めてしまうこともあるのではないかと思います。
大きな目標を持ち、いかにその志を維持しながら、自分で考えて行動できるかが大切です。
稲村:壁にぶつかったときも、高い志を持っていれば乗りこえられるということですね。
就活生に向けてのメッセージ
稲村:ここで時間もあとわずかになってしまいました。最後に就活をスタートさせる皆さんに向けて、メッセージをお願いします。
前田:一番伝えたいことは、「将来の大企業」に入ったほうがいいということです。
もちろん、今の大企業に入ることが悪いわけではないし、それも素晴らしいことだと思います。
しかし、今のノースサンドには優秀な人が多く、その人たちが会社を成長させています。
「自分には敵わないな」と思うような圧倒的な努力をしている人や、モチベーションが高い人がたくさんいる環境に飛び込んでみたほうが自分の成長につながります。
そのような環境で、かつ小規模な会社であれば、自分のこともよく見てもらえ、社長ともすぐに話せる。これはチャンスでしかないと思います。
つまり「将来の大企業」に入ったほうが、成長のチャンスが多くあり成功への近道です。
それゆえ就活生には、自分が思う将来性のある会社、「将来の大企業」に入ったほうが、絶対に自分自身の成長が早いということを伝えたいです。
稲村:ありがとうございます。確かに、周りに目標になる人がいて、自分たちで会社をつくりあげることもできる環境は、成長できるチャンスであふれているなと私も思います。今年もノースサンドを志望する方が多くいるとうれしいですね。本日は、ありがとうございました!
前田:こちらこそ、ありがとうございました。
ノース参道ライター:稲村周平