ITは導入よりも活かし方が大事

課題はITをどう使いこなすか

 

シリーズでお伝えしています、弊社ノースサンドによるコンサルティングサービスのご紹介ですが、今回で3回目を迎えました。先日、過去2回の記事をご覧いただいたお客様より、業務改善の仕方について、もっと詳しい話を聞きたいというお問い合わせをいただきました。そこで、今後の回ではさらに詳細な事例をご紹介できればと考えておりますので、ぜひ引き続きご覧いただけたらと思います。さて、今回のテーマは「企業におけるITの使いこなし」についてお届けしていきます。

日本企業のIT化の遅れが国際競争力低下の要因

日本国内の多くの企業では、せっかく導入したシステムがうまく活用できていないとか、当初想定していたほどの効果が出ていない、といった話をよく耳にします。そもそもコストをかけてまでITの導入に積極的でない場合や、現場社員の意向によってIT化が思うように進まないといったケースがよくあります。

これほどテクノロジーが進歩した世の中にもかかわらず、いまだにIT化の費用対効果が出せず、期待する成果を得られていない企業が多いのは何故なのでしょうか?

(IT系を除く)多くの国内企業にとって、IT活用の遅れが外資系含むグローバル企業との競争優位性という点で劣勢に立たされる要因の1つになっていると言われており、今後はますますIT化の遅れが企業成長の足枷せなっていくであろうことは容易に予想がつきます。

 日本人にとって「生産性向上」はマイナスイメージ?

本シリーズの初回記事でも触れたのですが、日本人にとって仕事を簡略化したり、手間の掛かっている作業を楽にしたりことが必ずしもプラスのイメージではない場合がある、ということを書きました。日本人が持っている感覚として、たとえ非効率なやり方であっても困難な仕事を汗水垂らして一生懸命やることが良いことだとされ、コストをかけてまでITの力を借りて解決するのは邪道である、といった風潮が未だに根強く残っているふしがあります。

このような状況ですから、日本企業の生産性がいつまで経っても諸外国企業と比べて低い状態であるというのもうなずけます。実際のところ、アメリカ、ドイツおよび日本の労働生産性に関する経済協力開発機構(OECD)がまとめた統計情報によると、労働就業者1 時間当たりの国内総生産(GDP)は、1990 年にはアメリカ 42.1ドル、ドイツ 40.7ドル、日本 28.1ドルだったのに対し、2018 年にはアメリカ 74.7ドル、ドイツ72.9ドル、日本 46.8 ドルであり、日本の労働生産性は 25 年以上前のアメリカやドイツの労働生産性の水準にようやく追いついた、という状況らしいのです。

労働人口の減少問題を乗り越え、持続的な成長基盤を作り上げるためには生産性の向上が必要不可欠であるにも関わらず、日本経済は長らくこの大きな課題を残したままの状態なのです。

日米の違いに見るITに対する考え方の特徴

日本企業のIT化の遅れの原因には、前述した日本人独特の意識のほかに、ITを取り巻くビジネスモデル上の構造的な違いもあるといわれています。たとえば、日米でのITエンジニアの配置の違いに着目すると、日本にはいわゆる「SIer」と呼ばれるITの導入を専門とする業者が多く存在し、クライアント企業はそれらの「SIer」と契約して自社のIT化を推進するのが一般的です。

一方の米国では、この構造が基本的に真逆になっており「SIer」と呼ばれる企業は日本ほどメジャーではありません。米国のクライアント企業では、パッケージやクラウドサービスを提供するソフトウェア開発企業から製品を調達し、自社の要員が自ら主導して導入を進めることが多いのです。また、米国では企業のニーズに応じてシステムをゼロからスクラッチ開発したり、パッケージやサービスのソースコードを改修したりする、日本でよくあるIT化のやり方もあまり浸透していません。

このため、米国では自社内に多くのITエンジニアを抱えることになり※1、必然的に企業のITスキルも総じて高いレベルを保有することになります。このように、企業におけるIT人材の配置が日米では反対の状態になっていることからITの重要性に対する考え方も全く異なっているということなのです。

※1そもそも米国ではプロジェクト状況に応じて、人材を柔軟に確保・解放を行うことが日常的であるという根本的な商習慣の違いなどもあります。

 

システムの使いこなしや定着化を支援

以上のように、企業成長に欠かせないIT化の推進において日本企業がおかれている環境に課題があることをご理解いただけたかと思います。今後は、ますます企業力が問われる時代だからこそ何とかこの課題をクリアしていく必要があると考えています。

弊社では特にIT化が進まず困っている、あるいは社員のITリテラシーが他社よりも相対的に低いと考えているお客様に向けて、単なるIT化の実行支援だけでなくシステム導入後の使いこなしや定着化といったアフターの部分に重点を置いたサービスもご提供しています。

具体的には、導入したシステムをうまく活用できていない場合に、各部門ごとの利活用方法をとりまとめて全社へ共有・浸透していきながら、一時的な利用にとどまらないよう継続的な啓蒙活動のご支援などを行うサービスです。このような支援サービスによって、貴重な費用をかけたにも関わらずシステムの利活用がされずに無駄な投資になることを防止し、費用対効果を最大化することに貢献いたします。

過去の事例では、ちょうどコロナウイルスの問題が発生する以前に、全社導入したWeb会議システムの利活用ができていないとの課題をお持ちのお客様に対し、拠点を跨いだ遠隔会議での積極活用や毎日実施している朝礼での活用および社長からの訓示に利用など、様々なビジネスシーンでの利活用推進をご支援させていただきました。このケースでは、結果的にその後のコロナウイルス問題発生の際にもテレワークのスムーズな採用につながることとなり、非常に意味のある活動であったとお客様から評価をいただくことになりました。

まとめ

以上、生産性向上のためのIT利活用の重要性と弊社が提供する支援サービスの内容についてご紹介しましたがいかがだったでしょうか?今後はテレワークをはじめとしてITを利用するシーンがますます増加するものと思われますので、みなさまの会社におけるIT利活用状況について見直していただくことをお勧めいたします。

最後に今回のポイントを整理しておきます。

  • ITの利活用が進まない要因は日本特有の事情が関係していると理解する
  • 企業成長の基盤を支えるためにはITの利活用と定着化が有効である
  • 弊社ノースサンドではIT利活用と定着化に関するコンサルティングサービスをご提供している